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2011年6月25日 (土)

春夏秋冬◎

 頭にくるほどの腰痛を病んでしまった。朝方、布団から立ち上がる過程に、その痛みは容赦なく私に例えようもない苦しみを与える。多摩川の河原に転がる重さ七十キロの石を抱えて十メートル移動するという力自慢のバカげた競技で肉体をいじめた記憶はない。一晩世話になった布団一式を押し入れにしまう際に何のまえぶれもなく「ぎっくり腰」で表情を歪めた覚えもない。

 と、腰痛の原因が見あたらないと無意味に腹をたてていたのだが、よくよく自分と対話しながら考えを巡らしていたら、どうやら、昨日の夕方に三十分のランニングが欲しない腰の痛みを招いてしまったようだ。

 走りすぎにより左膝に故障を呼び、地元の整形外科に治療をお願いしながらも丸三ヶ月もの長期療養に涙した。変形性膝関節症と名のり、完治までの日数に月単位が必要不可欠という大変やっかいな奴である。湿布や軟膏、リハビリという静の治療に興味を持てない私は、運動療法という体を動かす動の治療にモクモクと励むことにした。ウォーキング、ストレッチ、そして、膝を守ることに最も頼もしい大腿四頭筋を鍛える基本的な筋トレ「スクワット」。街中をスリムな肉体でさっそうと走るランナーを目にふれながら、いつかこの私もあの人のように心弾ませながらランニングに酔いしれるのだ。時に、なかなか痛みが遠のかない事実が身に染み、あきらめの境地へ落ち込むこともけして片手の指の数では足りないほど。走ることは人の体に度々故障をもたらす危険な行為であるから、心身の健康と脳の働きを活発に誘うウォーキングを習慣に選択したほうがいいんだよ、などと本音とは言い難い心境を無理に形成し嘘の満足感を築いていたことも。

 昨日、JR阿佐ヶ谷駅ホームで数歩の小走りを無意識にしたら、三ヶ月もの長期に渡る膝の痛みが電車の網棚に忘れてきたかのようにすっかり姿を消していた。嘘だろう? と半信半疑の胸中で、さらに五、六歩少し動作にボリュームを加えて駆け足したら、やはり氷山の一角ともいえそうな微々たる鈍痛とも無縁であった。

 まだ少々の訝りは胸中に佇んでいたのは、三ヶ月もの間、走れないという欲求不満に来る日も来る日も怒りを膨らませていたのだから仕方のない心情である。痛みが頂点にたっしていた時は、痛む左足を引きずるようにしか歩を進めず、最寄り駅から徒歩七分たらずの家路に、ロータリーで客待ちしているタクシーの後部座席に世話になろうかと本気で望んでいたものだ。十万単位の支出でどうにかなるなら、すぐにでも専門医の優れた腕で手術へと事が進めばいいなと、ネットで様々な関連ホームページの検索に挑んでいた近い過去も。

 冒頭に綴った腰の痛みの原因は、ようやく足の痛みから救われたことによるランニングの目出度き再開が事由として考えられる。膝の痛みの再発を怖れ、一キロ八分程度の運動量は果てしなく軽い負荷ではあったが、三ヶ月のブランクにより衰えた肉体には、多少なりとも筋肉痛等のなにかしらの症状は仕方がないのだろう。長期に渡り私を苦しめた膝の痛みとは異質のものであるだろうから、時の経過とともに腰の痛みは軽減へと向かうことは確かだと信じている。

 患部に湿布を貼ったので、翌朝には思わず苦笑してしまうほど痛みは姿を消しているかもしれない。

 ランニング再開から二日目。若干の違和感に意識を傾けながら、アスファルトを三十分軽く流した。故障に鳴いた左足は健全な右足同様の負荷をかけても、ピーとかチーとか小動物のように鳴くこともない。ピッチはかなり控えめで、昨日とほぼ等しく速歩にも劣るほど。病み上がりの走りであるし、再発に若干の恐れがその原因だ。

 三ヶ月に及んだ足の療養により、三十分の走りに肉体は音をあげないだろうかと一抹の不安は避けられない。特に筋肉の低下は恐れの第一。長い時間走り続けるためには人並み外れた持久力も必須である。ただ、その無駄な心配をよそに肉体の衰えはほどんど心配と無縁で、大腿四頭筋の鍛錬はリハビリのひとつに含まれていたので、筋肉の維持どころか療養以前よりも太く逞しく筋肉が育っていた。三十分歩かず走り続けるための持久力も似通ったもので、これまたいくつかのリハビリに含まれているウォーキングにより、衰えに嘆くこともない。

 三ヶ月の療養でもっとも悲劇を生んだものに腹部に蓄えた豊富の脂肪である。入浴前の計測によると体重は三キロほど確実に増えていた。たかが三キロというが、生まれて間もない赤子を脳裏に描けば、その恐ろしい事実に納得できるはずである。 

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